どうも!えぎんがない!?のハギDです。
エギング2年目を迎えて、今まで分からなかったことや難しかったことを、一つずつ理解し実践することで、狙ってアタリを取れるようになってきました。
しかし、一つ知ると3つ疑問や課題が出てくるのが釣りの世界。
私自身ものすごい大きな課題が一つ残っています。
それは「良い潮を狙って釣行する」ということです。
皆さんもこんな経験ありませんか?
ポイント
- 先週の大潮では、干満に合わせてものすごい潮が動いたのに。今回は潮位は変われど潮があまり動かない
- 今日の若潮は中潮レベルで潮が動く
- 干潮満潮関係なく潮が出ていってしまう
残念ながら潮を読むのは、ベテランのアングラーでも難しいと言われています。
なぜなら、予報や実測値の数字を見ても、実際の釣り場に立つとそれ以上(または以下)で条件が変わるからです。
では予測する意味は無いのか?いいえ、決してそんなことはありません。
色々な諸先輩アングラーの教えや、自身の経験から言わせていただくと、大切なのは情報を重ね合わせて多角的に条件を見ていくということです。
今回はエギングだけではなく、全アングラーが上達するうえで避けては通れない「良い潮を予測する」ということを、様々な条件で見ていこうと思います。
この記事を読むことで「良い潮」ということの知識はインプットできるかと思います!
この「深淵なる潮の世界」について、釣り初心者の方でも理解しやすいようにできるだけわかりやすく解説していきますので、最後までお付き合いください!
そもそも潮流とは?
潮位の区分と周期について
潮流とは、潮の満ち引きにより海の流れが変わる周期的な動きのことを指します。
更に、潮の満ち引きによる潮位の高低には、月と太陽が大きく影響しており、月や太陽が地球に近ければ、それらの引力で海面が引っ張られ潮位に差が生まれます。
そして、月や太陽と地球との距離は周期で変わり、その周期はおおよそ15日間とされております。
この15日間の間の潮の状態を5つの区分に分けられており、それが「大潮>中潮>小潮>長潮>若潮」の順に潮位の高低差が大きくなります。
これだけだと非常にわかりにくいですが、先程言ったように潮は月や太陽の影響を受けるため、
月の満ち欠けでも表すことが可能です。
つまり、「新月→満月」「満月→新月」に合わせて潮の状態がかわります。
尚、月の周期は新月→新月(満月→満月も同じ)までで1周期とされますが、釣り人界隈でよくある会話の「この潮一回りはチャンス」などの表現は、「大潮→長潮」に潮が下がっていく、もしくは「長潮→大潮」に潮が上がっていく15日を指してますので注意が必要です!
潮流と海流の関係
私もはじめは勘違いしてましたが、潮流と海流はまったく違う性質となります。
海流は、地球規模の大きな海の流れをさしており、日本で主流な海流としては、日本海側と太平洋側のそれぞれに南北入る流れが存在するため合計4つの海流からなってます。
日本海側であれば、南から入る温かい対馬海流と、北から入る冷たいリマン海流があります。
対して太平洋側は、南から入る温かい黒潮と、北から入る冷たい親潮が存在します。
これらが地球の自転や季節風などの地球全体規模の風の影響を受けて動いています。
また、近年は黒潮が大蛇行している影響で、漁や気候に大きな影響が出ているとニュースが流れることがあると思います。
釣り人ももちろんこの地球規模の影響を受けており、私が住む関東圏では黒潮が大蛇行すると水温が例年より高くなるため、シーズンがずれたり、一定の魚種が
これは定期的に発生するおおきなイベントのようですが、通常1〜2年位で終わるところ、今回は4年以上も継続発生しており、今後の動向が注目されています。
潮流と風の関係
潮流というと海を眺めた際の、波などの表面的な動きに目がいってしまう方もいるかと思いますが、表面的な動きと潮流はイコールの関係だけではないので注意が必要です。
前項でもお伝えした通り、潮流とは潮の満ち引きによって海全体が動くことを指します。
例えば風速5メートルくらいの環境の場合、風の影響で海の表面が波立って動くため、見た目上の動きと海の中の動きが違う場合があるのです。
こうなるとエギングにおいては、エギがフォールする際に流される方向と、海面に浮いているラインが風の影響で流される方向が一致せず、エギのフォール姿勢が崩れたり、イカの繊細なアタリがわかりづらくなったりするので、非常に厄介です。
なぜ大潮で潮が動かない状況が発生するのか?
潮の動きは非常に複雑
タイドグラフ(潮見表)などを使って、釣行当日の潮汐の種類や干潮・満潮の時刻を調べ、「今日は大潮だから潮が動く日だし、満潮前のこの時間に行けば良い潮に出会えるかも!」なんていう淡い期待を裏切られたことございませんか?
そして、「この前の小潮の時の方がよっぽど満潮前に潮が動いたな−・・・」なんて思うところまで私の中ではテンプレートです。
そもそもタイドグラフを見ると、滑らかな曲線を描いて潮が上下していますが、実際はそんな規則正しい動きはせず、上図のように突然止まったり動いたりと非常に不規則な動きをします。
そのため、「満潮(干潮)前のこの時間はこの前来たときと同様に潮が動く」なんて考えは捨てないと、冒頭で上げたように行ってみたら潮が動かないなんてことが発生します。
また、潮が動かない(動きが悪い)要因は他にもあるので注意が必要です。
ちょっと理解するのに面倒な話も出てきますが、大切なことなのでご紹介させていただきます!
釣り場の地形と合わせて考える
釣りをしていると感じると思いますが、海水の流れというのは決して一方方向ではないです。
例えば、防波堤が沖合や近くに設置されている場所の場合、そこに潮が当たると跳ね返って出ていく潮流が発生することが多いです。
また、潮流を見る時に局所的に自身が立つ場所だけを見るのではなく、グーグルマップで上から地図を見るのと同じ感覚で、もっと広い視点で潮流を捉える必要があります。
上図のように、島などの場合潮流の裏側になるような位置で釣りをする場合、海水は上下するものの、潮流自体は潮先の位置に比べ非常に鈍くなります。
この潮流自体が逆の動きをした場合、図では裏側だった位置が潮先に変わるのです。
これが、今日は潮が動かない(逆に動く)と感じる要因の一つです。
更に、釣行するエリアの形状が、ワンドなのか、沖合にせり出た場所なのかなど、エリアの影響を受ける要因は他にもあります。
ただ、広い視点で地形を理解したところで、実際の潮流をどうやって事前に判断すればいいか困りますよね?
そんな時にめちゃくちゃ便利なのが「Windy」です!
使い方は非常に簡単で、しかも無料で使えちゃいます!!(一部機能は有料です)
確認したいエリアを指定して、メニューから条件を選択可能で、潮流だけではなく「海流」「風向」「水温」と多種多様な情報を1時間単位で確認可能です。
是非普段から行くエリアの形状を広い視点で把握し、潮流予報とセットで予測するのに活用してみてください。
潮には偏差値が存在する!
この事実を知った時に私自身「なるほど−!」と唸ったものです。
今回のテーマでもある、なぜ同じ大潮なのに前回と打って変わって動かない(動く)のか?という部分に密接した考え方があります。
それが「潮位偏差値」なるものです。
この数値は気象庁が観測・公表しているデータですので信憑性の高いデータかと思われます。
この潮位偏差値とは何か?といいますと、様々な気象条件などを加味した結果、潮が上がりやすいのか下がりやすいのかを数値化したもので、実際の潮位情報と合わせると、満潮に向かう上げ潮が動きやすい条件なのか?それとも干潮に向かう下げ潮が動きやすい条件なのか?の偏差を表した数値です。
偏差が生まれる気象条件について詳しく知りたい方は、ルアマガ+で無料公開されているこの記事を見てください!潮位偏差の要因となる「気圧配置」や「水温変化」など、目からウロコの情報がたくさん載ってます。
使い方について簡単に知りたいという方にかいつまんでご説明しますと、上記で上げた様々な要因によって、予報で出ている数値に対してプラスもしくはマイナスし、予報以上に潮が動かない(動く)干潮・満潮を過去の傾向から割り出すことができます。
極端な例でいうと、当日の小田原エリアの干潮時の水位が-20cmなのに対して、偏差値がプラス+20cmだった場合、相殺されてゼロになるため、全く動かないなんてことは無いですが、この日は干潮時は潮が動きづらいということが分かるということです。
この偏差値ですが直近の過去データを見ることで、ある程度の予測は可能なので、「今月はプラス域が多い月だから、潮が動きやすそうな満潮時を狙って見よう」なんてことが可能なんです。
最新の偏差値がみたい方は、以下気象庁のHPから確認してみてください!
唯一欠点としては、観測データの参考となるエリアの範囲が大きいため、自身が通っている釣り場とかけ離れた情報しか見れない場合があるということです。
しかし、あくまでも参考値として偏差値という考え方があるということ、それを生み出す様々な気象条件を加味することで、当日どの時間が潮が動きやすい状態なのかを予測するのに、非常に有効であるため、すべての釣り人が知っておくべきことなのは確かです。
潮が良い状態とはどんな状態?
餌や酸素が豊富に供給され、魚の活性があがる
良い潮と聞いて真っ先に思いつくのが、潮流同士が当たる場所に発生する「潮目」が挙げられると思います。
潮目が何故良いかというと、潮がぶつかったエリアでは海水が海底から上がるってくる影響でプランクトンが豊富なことが多いです。
そうなるとそれを狙った小魚(ベイトフィッシュ)が集まり、更に小魚を狙った捕食者(フィッシュイーター)が集まる傾向にあります。
更に海水が混ざることで海中の融解酸素濃度が上がり、魚が元気になり活性が上がります。
この効果は潮目だけではなく、潮が淀んだエリアよりも動くエリアの方でも起きやすくなるため、一般的に潮汐の幅大きく、潮が動く可能性が高い日である大潮や中潮はチャンスと言われます。
ただし、みんなが同じ条件化で同じ反応を示さないのが生物の難しいところです。
アオリイカの特性を考える
結論から言うと潮が早く動けばいいかというと、アオリイカの場合はNoです。
これはアオリイカだけではないですが、身体の特徴や性質上、海の中にいても泳ぎが得意ではない魚がいるからです。
ではなぜアオリイカが泳ぎが苦手かというと、身体が胴長で横幅も大きいため、水の抵抗をうけやすいことが挙げられます。
そのため、水中映像などを見ると、ヘリコプターのホバリングのように、潮に漂いながらゆっくり動いているシーンが多いと思います。
そのため、アオリイカは断然フォールで食いつくことが多いのです。
しかし、注意が必要な点として、他のイカとアオリイカをイコールで扱っては行けないということです。
同じ胴長なイカでも、ツツイカやヤリイカのように細長な形状をしたイカの場合は、水の抵抗を受けにくいため、長い距離を回遊すると言われています。
他の魚で避けられがちな長潮、小潮、若潮はチャンス
泳ぎが苦手なアオリイカをエギに食いつかせるには、テクニックもさることながら、食いつきやすい状況を作ってあげないと駄目だということを先程伝えました。
つまり、潮がきいて餌や酸素が豊富で、水温や塩分が安定することは良いことですが、アオリイカの場合はききすぎた潮は返ってデメリットになるということです。
そのため、通常釣りづらいとされるダラダラと潮が流れる小潮、若潮、長潮も、ことアオリイカを釣る上ではメリットに変わり、チャンスが広がるケースがあります。
先程の潮位偏差値と組み合わせることで、小潮だけど潮が動きやすい満潮を狙うなど、戦略の幅が広がりますので、是非活用してみてください!
中潮、大潮は潮流と条件に合わせて狙う
では中潮、大潮で潮が早すぎる場合が全く駄目かというと、決してそうではないので注意が必要です。
例えば沖から急激に潮が入ってくる状況でも、ワンドとなっている地形や、防波堤にあたって潮が溜まるエリア、海藻や岩礁の裏側で休憩しているエリアをピンポイントで狙うことで、居着いているアオリイカを釣り上げることも可能です。
しかし、この場合は、釣りをするエリアの地形や海底の状況を理解した上であることが前提条件となるため、ある程度通い詰めて経験積む必要があります。
他にも掛け合わせるべき条件は多数ある
今回は潮流に特化してお伝えしましたが、アオリイカを釣り上げるためには他にも見なければ行けない要素が多く存在します。
例えば、塩分濃度や水温はアオリイカを釣り上げる上で、非常に大切な要素です。
どの魚でも言えますが、やはりその魚の特性を理解することが、上達への一番の近道と言えます。
水温とアオリイカの関係性は以下記事で詳しく説明してますので、是非見てください!
地形、潮位、潮流を駆使して良い潮を掴む
釣り人がいう「良い潮」には様々な条件が存在することが今回分かったかと思います。
今回は潮流に絞ってご紹介しましたが、残念ながら今回ご紹介したのは潮流を読むための取っ掛かりの知識でしかありません。。。
しかし、こういった知識を駆使して釣れる条件を重ねていくことがエギングはもとい釣り上達者への一歩となるのは間違いないです。
大自然の中で、のんびりと時間を過ごすのも釣りの醍醐味ですが、たまには足ものの小魚の向いている方向、潮目が流れる方向、海鳥が向かう方向などに目を配ることも意識してみましょう。
どうせ釣りをするならば釣れた方が良いのは当然のこと。
私も明日の一杯に向けて、研鑽していきます!
ここまで読んでいただいた方は、今回の記事のボリュームが多くて読むのが大変だったと思いますが、少しでも新しい知識をインプットできたなら嬉しい限りです。
この記事を書いた人:えぎんがない⁉︎
「えぎんがない!」とはエギングの魅力にガッツリはまってしまった首都圏在住の初心者エギンガー2名組みが、神奈川県三浦エリアを中心に日夜イカ釣りを行い、その結果や情報を発信をしているエギングの情報メディアです。同じくイカが欲しいのに釣れない!と悩んでいる人たちのお役に立てれば幸いです!!